【韓国 ソウル】自然がいっぱい!標高740m道峰山に挑戦したら、命がけの苦行難行だった
◆道峰山(ドボンサン)
道峰山は山の名前からもわかるように峰が登山コースになっている山です。仙人峰を登るロッククライミングコースだけでも37ヵ所あり、他の山に比べてロッククライミングを楽しむ人々をよく見かけます。一般人向けのハイキングコースも数多く整っており、首都圏に住む人々が大勢訪ねます。牛耳岩・神仙台・紫雲峰コースなどがお勧めのコースです。
◆みどころ
・きれいな景色!
ソウルの北側、標高739.5m、北漢山に次いでソウルで2番目に高い山。
山の峰からはソウルの街並みを見下ろすことができます。
韓国の百名山(75位)にも選ばれています。
・お寺が密集!
地元の韓国人によれば、山に寺があることは多いがここまで密集しているのは珍しいとのこと。驚きなのが、かなり深い山奥にまであること。
登山をしている途中にもお経が聞こえてきます。
・コースが多様
初心者向けのハイキングコースから登山中上級者も満足の多様なコースあり。
鎖場(ロープ)やつかまないと登り下りできない手すりがある場面も。
◆コース
自称ハイキングコースあり、とのこと。
山と取り囲むように散策ができるようになっているということのようです。
山道入り口の案内センターでは紙の地図をもらいました。
道峰山と隣り合うようにそびえる北漢山(ブッカンサン)と表裏です。
赤い太線で書かれたハイキングコースは、距離と所要時間がかかれています。
登山客にはあまり参考にならないかもしれません。
◆レッツゴー!素人体験記
最近家にばかりいる、関東出身のアラサー女子ふたり。
普段からピクニックや散歩がすきなわたしたちは運動不足解消もかねて登山に行くことに決めました。ちなみにどちらも登山素人です。
関東のお手軽登山の名所、高尾山が標高約600mなのであまり変わらないだろう。
レビューの写真を見て、景色がきれいという単純な動機で標高約740mの道峰山を登ることに。
ブログレビューを書いていた人の服装が軽装だったこともあり
「素人でも大丈夫だろう」
「コースをあまり調べず、行けばわかるだろう」
「1.5時間くらい歩いたら折り返そう」
そんな気持ちで出発しました。
・服装&持ち物
我々は登山した人のブログを参考にコーディネートしました。
ジムで運動するようなレギンスにスニーカーとなんと軽装ではないですか。
「これなら私たちにも行けるね。」
その情報をうのみにしたわたしたちはレギンスにTシャツ、スニーカーという「これからヨガ行くんです」みたいな服装で挑みました。
そして遠足気分で麦茶を500mlとお菓子をバックパックにつめて、さあ入山。
「水は足りなくなったら買えるだろう」
という 山=高尾山の初心者コースの浅い知識。
これが後ほど大きな失敗であると気づきます。
・駅前~ふもと
ドボンサン駅1番出口を出て信号を渡るとすぐに、山用品店や屋台が並んでいます。
屋台は主に夕方以降にオープンする様子です。
駅周辺からふもとまでの道にはcuやセブンイレブンなどのコンビニもあります。
平日朝9:30ごろにはすでにおにぎりの棚は、ガラリとした状態でした。
ふもとまでやってくると登山ムードがプンプン。
山用品やお土産屋さんががずらっと並んでおり、こちらは朝から開いていました。登山用シューズやウェアなどセール商品もたくさんありました。
どこのブランドだかわからない服は5000ウォン~ありました。早く下山できたら山用品を買って帰るのもよいかもしれません。
・いざ!入山
山道入り口の案内センターでは紙の地図をもらいましたが、登山道は書かれておらずわかりませんでした。地図看板らしきものも見当たらずとりあえずそれらしき道を進むことに。
この時わたしはこう思っていました。
進んでいけばいずれはルート案内が出てくるだろう...日本人の登山ブログにも書いてあったし。(ブログ情報の過信)
・自然がいっぱい
渓谷を流れる水は透き通って、緑がいっぱいの山道。
青々とした虫食いの葉っぱに毛虫の大量出没。これも自然豊かな象徴。(笑)
秋は紅葉がきれいで有名だそう。
登り始めて40分、天竺寺付近まで来ました。
中腹まではところどころ岩がごつごつしている道があるものの鋪装された道や階段があり素人軽装の我々も登ることができました。
もちろん運動不足のわたしは息が上がりまくりでしたが。
・中腹以降
1時間くらい歩きだしたところであるおじさんに声をかけられました。
あれよあれよとおじさんのペースに巻き込まれ、われわれふたりを引き連れるガイドになりました。
「1.5時間で折り返す目標」はすっかり消えてしまい、とりあえず頂上まで行くことになりました。
登り始めてわかった
頂上はとりあえずではない。
予定であれば写真を撮りまくるはずだったがなんぜ両手が空かない!
手を使わなければ登れないほどの山道。
もはやロッククライミング状態。
わたしは登ったことを後悔し始めました。
・大きな失敗
残念ながら道峰山は登り始めたら売店がありませんでした。
わたしたちの登った日は30℃前後で風も少なかったため500mlの水分は、あっという間になくなってしまいました。正直命の危険すら感じました。
道はある程度鋪装されているものの、高尾山クオリティの設備はありませんでした。
無知は凶器だと誰かが言っていましたが、その通りでした。
・頂上
食事休憩を取りながら渓谷沿いに、登ることおよそ3時間。
見えた頂上はおおきい岩!
すでに疲れ切っていたわたしは
「山っていうか岩じゃん。」という謎の怒りの感情がこみ上げてきた。
頂上なんて、もうどうでもいいからこの疲労から解放されたい一心でした。
しかし登ってみれば、ソウルを一望できる絶景!
登ってよかった!
疲れが吹き飛ぶ!
というのは大嘘ですが、後悔は消えました。
そして、やっと下山できる!という晴れ晴れとした気持でいっぱいになりました。
・ガイドおじさんの疑惑
やっと下山!そして、おじさんからの解放!
と思いきやおじさんは下山まで仕切り出した...。
下山の途中でふと私はカンボジアでの出来事を思い出した。
そう、自称ガイドのおっさん。
韓国はカンボジアに比べたら経済的に、ガイドと偽って金を巻き上げようという心配はなかったが…後から何か見返りを求められたら困るので一応確認。
「後でお金(等々)請求しないですよね」
この確認3~4回くらいしました。
今考えるとかなり失礼ですが、身を守るためには必要でした。
様子を見た感じでは親切心を持って接してくれているようではありました。
そしてこのおじさんは道峰山に100回は登っているというではないですか。
おじさんに解放されたい気持ちはありつつ、迷子になるより玄人についていこうという流れに。
ですが念を押しました。
「楽なルートにしてね」と。
・登山より厳しい下山
「行きより帰りのほうが早く感じるっていうよね」
という謎の精神論を述べていたのもつかの間。
わたしたちは下山道の様子がおかしいことに気づきました。
登ってきたときの整備された道とは違うのです。
岩のくぼみに足をかけたり、気にしがみついたり。
念を押しましたよね。
「楽なルートにしてね」と。
▲墜落事故が頻繁に起きていますと書かれた看板
話が違うじゃないか!
キレたい気持ちありましたが、
もう下り始めたルートを簡単に変更できないこともわかっていました。
それにそんな元気もなかったし、もめて遭難したくなかった…。
遭難・滑落がとなりにあるのを感じようなルート。
ただの運動靴できたわたしたち。
乾いた砂地の足元が滑ってかなり危険でした。
岩の隙間をくだり、急こう配を後ろ向きにおり...
時折登っては、過去10年滑落死亡者25という恐ろしいスポットに出くわしたり…。
死の恐怖を時折感じながら休憩をはさみ、3時間ほどで下山しました。
やっと恐怖とおじさんから解放されたのでした。
・おまけ 山は恰好の不倫スポット?!
韓国では登山のコミュニティーを介して50~60代の男女が不倫を楽しんでいるとか、いないとか。
ガイドのおじさんはなんと、本人がその経験者ではないですか。
「ちょっと前までは、一緒に山登りする彼女がいたんだけどねぇ」
わたしは自分から話し出したことにもちょっとびっくりしつつ、
「え?奥さんいるんじゃないんですか?」と。
「うん、まあ。家の人ね。それは別だよ。男も女もみんな浮気するじゃない。
だって、男が浮気する相手は女だろ?」
その不倫論に言い返せなかったが、開き直ってそんなことをいうことに我々は苦笑。
深くは追及しませんでしたが、「登山不倫」は実在するようでした…。
◆山登のあとの一杯
どうやら、韓国で登山の後の一杯といえばマッコリのようです。
どこをみてもマッコリだらけ。
下山してすぐの売店にはなんと立ち飲みマッコリ。
微炭酸でキンキンに冷えたマッコリを疲れ切った体に流し込むのは想像するだけでもおいしいに決まっています。とりあえずのどが渇いていた私たちはお酒は危ない気がしたので、水を一気飲みしました。(笑)
◆疲労の後はビタミンB
最後はサムギョプサルで〆ました。
疲労回復にはビタミンBです。
平日ともあり、お客さんが少なかったのですが、お肉、おかず、スープからサムジャンまですべてがおいしいお店でした♡
◆さいごに
高尾山の気分で登った道峰山。
往復7時間弱。
素人が行くべきではないと確信し、もう二度と山には登らないと決心したのでした。
頂上を目指さないのであれば気軽に行けるハイキングコースです。
登山やハイキングとそのあとのマッコリを味わってみてはいかがでしょうか。