ノラン ナラン_コリア

君と私で日本人が少ないところへ行きたい!韓国在住者ノランがお届けする韓国生活情報。

【日本語教育】日本語教育能力検定 試験Ⅱ 大苦手な音声学を克服した方法

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以前にブログで紹介したのですが、わたし自身日本語教育能力検定を短期間のもう勉強で一発合格しました。


試験の内容や勉強方法はこちらのブログで紹介しています。

nolang.hatenablog.jp

日本語教育能力検定は試験ⅠからⅢに分かれています。
わたしは試験Ⅱが最も難関でした。

基本は以前に紹介したような勉強方法ですが、
絶対音感なし、音声学初体験のわたしが試験Ⅱを克服した勉強方法を問題ごとに紹介します。

 

日本語教育能力検定 試験Ⅱ 試験内容

・問題1 アクセント
・問題2 学習者の問題点
・問題3 調音点
・問題4 会話
・問題5 聴解教材
・問題6 学習者の誤用

 

◆勉強方法

どの問題も最初から独学でできるわけがないので、最初は問題の焦点と答えを理解することに集中して勉強します。

nolang.hatenablog.jp
全体的な勉強方法は前回のブログと同じです。
試験Ⅱに出てくる問題の傾向と問題の中に登場する知識を過去問と復習を繰り返して感覚と知識を叩き込みます。

◆試験Ⅱの基礎知識

試験Ⅱでは普段の生活では聴き慣れない用語や感覚が問われてきます。
まずは試験問題のCDを一度聞いて問題を見てみます。

8月後半ごろに試験Ⅱの勉強に本格的に取り掛かりました。
最初は問題の意味もよくわからなかったのをよく覚えています…。
「意味わかんない。受からないわ!」って勉強する前に思ってました(笑)。


気持ちを切り替えて、問題の意味を理解するためにも試験Ⅰの知識に加え、試験Ⅱの基本知識を押さえておきましょう。

・調音点・調音法

この2つは非常に重要です。日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版 にも重要マークがついています。
ざっくりいうと、発声する際の口のなかの動きや形を理解するために必要です。

わたしはこの項目を頭で考えて覚えるのが苦手でした…。

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ですが上の写真のように表を自分で作成して、隙間時間に暗記することにしました。

見るだけではなかなか覚えられているか自信がなかったので、仕事の休憩時間に自分でノートに殴り書きで、穴埋め問題を作って解くなどして覚えました。

・よく出る単語(用語)の確認

「言いよどみ」「メタ言語」「隣接ペア」など…問題をいちど眺めてみると、頻出単語があります。

自分なりにわからなかった単語をノートにまとめて日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版 日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 分野別用語集で意味を確認します。

読んだだけで理解できる場合はそのままでも良いですが、ピント来ない場合にはノートに書き写しで構わないのでアウトプットすることをおすすめします!

頻出単語を調べるにはこの本が便利です!

 

最後の1~2ヶ月は持ち歩いて、移動時間にインプット、休憩時間にノートに書くなどアウトプットをしました。

◆問題1 アクセント

学習者が言う文章のうち、一部の単語をどのようなアクセントで発話しているかという問題です。これ、わたしはすごく難しくて最後まで自信がつきませんでした…。

問題を得手順としては、問題用紙の丸の囲み数字に縦線を書き込み、その下に問題の語をふります。その後問題を聞いて音の下り目を探します。

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  <線を書き込むとこんな感じ>

 

しかしこれ、音の下り目(音の山や谷)…
素人、楽器音痴のわたしには聞いているだけでは判断がつきません。
そこでスマフォのキーボードアプリ(iPhone:GarageBand)を使いました。

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それぞれの数字は上下に分かれています。上をミ、下をド
問題の回答a~dのすべてをキーボドのド・ミで鳴らして、答えを考えます。
写真のように数字の下に問題部分のひらがなを書いておくとわかりやすいです!

感覚が掴めるまで、過去問の練習1a~d全てキーボードを使って探っていきます。
ド・ミの感覚が身についたら鼻歌や頭の中でキーボードを鳴らしてみてください。
その後は繰り返して、感覚を身につけてスピードアップしていけばOK!


普段の生活の中でもこのド・ミを意識すると単語を音階分する感覚を磨くことができました。長い言葉はわかりづらいこともあるので3文字くらいからやってみるといいかもしれません。

 

◆問題2 学習者の問題点

学習者の話す言葉の問題点と原因を選ぶ問題です。

例えば「調査します」を「ちょさします」と発音した場合の【問題点】が答えとなります。この場合は【拍の長さ】が異なります。

素人的な書き方ですが…例えば
【拍の長さ】→伸ばし棒があるはずのところでない、ないはずのところで入る
【プロミネンス】→話題の中心になるはずの強調されるべき言葉が強調されている
【アクセントの下り目】→単語の一部がなまってる
など

自分で理解できるようにノートにまとめたり、問題用紙には書かれていない文章を書き起こすなどの工夫をしました。ここでよく出てくる【問題点】はどんなものなのかは把握しておく必要があります。

◆問題3 調音点

例えば「あしが痛いです」を「あスィが痛いです」と発音した場合の口の中で【舌や唇の位置=調音点】が違うことが原因で起きる誤った発音です。

この誤った発音の【舌や唇の位置=調音点】を回答から選びます。

調音点と図解はセットで丸暗記がおすすめ!
ポイントは【唇の開閉】【舌の位置】【喉の開き】を意識して図をみること!
さきほども少し紹介しましたが、一覧表の調音点に丸をつけて表を自作しました。

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図は相当な変更がない限りおそらく試験側がイラストタッチをかえることはないと思います。なので間違い探しみたいなイラストですが頭に焼き付けるといいでしょう。

◆問題4 会話

試験Ⅰに出てくる知識もここででてきます。
学習者と日本語母語話者の会話が題材です。問題はさまざまで、学習者の話し方の特徴や会話の中での誤解とその原因などなど。

日本語教師として客観的な感覚を持って取り組めばわかる問題と、専門用語がわからないと全く解けない問題が混在しています。専門用語については試験Ⅰ対策をしていればある程度わかるかと思います。

ここでは試験問題の音声の中に気になった単語をメモに取りながら行いました。

◆問題5 聴解教材

日本語学習者向けの聴解教材を聞いて、問題点や問題の意図を汲み取る問題です。

過去問を繰り返しながら、自分の選択した回答の答えが違った場合には「なぜ、ちがうのか」「なぜ、その答えなのか」を意識して再度解き直しました。

日本語教師として、教材を疑う気持ちを持って客観的に捉えることが重要になってきます。

◆問題6 学習者の誤用

こちらもまた学習者の誤用を選ぶ問題。
一見問題3と似ている気がしますが、こちらは活用や敬語などの誤りを取り上げています。

頻出単語の理解がポイントになります。
自分の選んだ不正解と正解意外にも回答の選択肢の中に意味がわからない単語(用語)が登場したら、理解できるように調べました。

◆試験Ⅱのポイント

試験Ⅱは画数の多い字や図が登場する場面が多くあります。
ですがプリントアウトだけで済ませずに、手を使って自身でアウトプットすることをおすすめします!


試験勉強をしている際にも登場する「記憶の仕組み」にもある通り、情報を長期記憶に入れるためにはアウトプットが欠かせません。
この試験勉強を通して言語知識の獲得(人間の学習ステップ)も自分の身を持って体験することができました。(笑)

 

また試験全体に言えることですが、噛み砕いて言えば簡単なこともあえて専門用語を使ってきます。問題を繰り返し解いて、回答の選択肢ややたら長い問題の意図を早く汲み取ることもポイントかもしれません…!

◆まとめ

試験Ⅱは自由に時間配分ができない項目です。
出題意図を掴むために、調音点・調音法の丸暗記、頻出単語を虱潰しに記憶することが重要だと思います…!

音声学は未開、楽器音痴、なわたしが合格できたんですから
きっとこれを読んでくださっている独学のあなたも大丈夫です!
応援しています!

◆勉強をすこし楽にする方法はこちら

nolang.hatenablog.jp